事務所ネットワークを更新しました(無線LAN編:その1)

 こんにちは。前回は事務所ネットワーク更新でVLANに関する内容について書きました。今回は無線LANに関係する内容について書いてみます。
 「LANケーブルが無いから、スッキリするよな。わざわざ有線LANにする必要はないな。」と安易に考えていませんか?
 実は無線LANにする方が難しい問題が多いのです。たとえば、オフィスに無線アクセスポイント(以下無線AP)を何台設置すればいいでしょうか?

 そして、オフィス内にどのように配置すればいいでしょうか?有線LANならPCの台数やプリンタなどの台数で、機械的にスイッチングハブやケーブルの本数を決めることが出来ます。
 しかし、無線の場合はそう簡単ではありません。ユーザは常に同じ位置で使うとは限りません。人数も増減することもあり得ます。スマホやタブレットなどを1人で複数台所持している場合もあります。状況が常に一定でない分、設計の難しさがあります。

 無線LANを設計するにあたって、他にも頭を悩ませる要素は複数存在します。

・1台の無線APに多くの端末が接続しようとしている
・1台だけ無線APから大きく離れたギリギリ通信可能な場所にいる
・1台だけIEEE802.11bにしか対応していない端末を使っている
・無線AP同士の距離が近過ぎて互いに干渉し合う
・近くにレーダーがあることで通信が瞬断することがある
・電子レンジの近くに無線APがあり、通信品質が低下する
・多くのSSIDを出す無線APと通信していることで速度低下が発生する

 などが考えられます。たとえば、5GHz帯と呼ばれるIEEE802.11aは理論値として54Mbps出ることになります。他に妨害する要素がなく、端末が1台のみの場合でも、オーバーヘッドを考慮しないといけませんので、理論値まで速度が出ることはありません。端末が多いと台数分で帯域をシェアすることになります。単純に1/人数というわけには行きません。詳しいことは次回以降に書く予定ですが、多くの端末が確実に通信出来るようにするための「余分な手間」も含みますので、それ以上に遅くなります。

 遅い規格にしか対応していない機器があると、それに引きずられて遅くなるという事態が発生します。遅い通信機器が無線APを長時間占有することになります。そのため、他の高速な機器が割を喰ってしまい、本来の速度が出ないということが起きます。
 ちょうど、片道一車線の道路の真ん中を原付がのろのろ走っている状態を想像していただければよいかと思います。自動車が追い抜こうとしても原付が邪魔で追い越せないために渋滞を引き起こしてしまう状況に似ています。

 そして、1台だけ離れた場所にある場合も全体的に遅くなります。単純に距離が2倍になると、無線APから端末に電波が届く速度は半分に落ちることになります。それだけでなく、端末/無線AP共に受信する電波が弱くなります。通信品質は下がりますし、通信に要する時間もかかります。そうなると、無線APを占有する時間も長くなり、他の端末の速度も遅い端末に引きずられて低下するという問題を引き起こします。

 この点については、MIMO(multiple-input multiple-output)によりある程度解消されます。このあたりの詳しいお話は次回以降に。
(無線LAN関係の話題は続きます)

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